待っているつもり
Aさんは昔から、何事も早く済ませてしまうような性分でした。そこには、人を待たせたくない、場の流れを止めたくないという思いがありました。
また、その気持ちが空回りし、気を利かせて急いだ結果、ミスをして余計な作業が増えることもありました。そうした経験から、Aさんは〈自分はせっかちだ。これからは焦らず、間を取ろう〉と心がけるようになりました。
あるとき、プレゼンテーション中に参加者に考えてもらう場面がありました。Aさんとしては、十分な時間を取ったつもりでした。
しかし、後で録画した映像を見返すと、その時間は思いのほか短く、参加者の考えがまとまる前に次の説明へ進んでしまったように映っていました。
その様子を見てAさんは、自分では十分に待ったつもりでも、実際にはそうなっていないことに気づきました。そして、主観的な時間の感覚と客観的な時間の流れには大きな違いがあるのだと実感したのです。
それ以来、Aさんは自分の「つもり」を省みるようになったのでした。
今日の心がけ◆自分を客観視しましょう
出典:職場の教養9月号
感想
この話を読んで、私は「気をつけているつもり」と「実際にできていること」には、意外に大きな差があるのだと感じました。
Aさんは自分がせっかちだと自覚し、焦らず間を取ろうと意識しています。
それでも録画を見返して初めて、参加者に与えた時間が思っていた以上に短かったことに気づきます。
自分の癖は長年身についているだけに、意識しただけですぐ変えられるものではないのでしょう。
特に印象に残ったのは、Aさんの「早く済ませたい」という性格の背景に、人を待たせたくないという気遣いがあることです。
良かれと思っている行動でも、相手から見れば急かされているように感じる場合があります。
これは仕事でもよくあることで、説明したつもり、確認したつもり、相手の話を聞いたつもりでも、実際の伝わり方は違うかもしれません。
だからこそ、自分の感覚だけを基準にせず、時には周囲の反応や記録から自分を見ることが大切なのだと思いました。
私も「できているはず」と決めつけず、自分の行動が相手にどう届いているのかを振り返る習慣を持ちたいと感じました。
否定的な感想
この話では、録画によってAさんが自分の時間感覚のずれに気づく展開になっていますが、「客観視」という言葉については少し考える余地があるように感じました。
録画された映像は確かに自分の感覚から離れて確認できる材料ですが、それを見たAさん自身が判断している以上、完全に客観的とは言い切れません。
参加者が実際に「短かった」と感じたのか、それとも十分に考えられた人もいたのかは、映像だけでは分からない部分があります。
また、Aさんの「早く進める」という特徴を、せっかちという弱点だけで捉える必要もないと思います。
判断や行動が速いことは、状況によっては大きな長所になります。
重要なのは、自分の性格そのものを直そうとすることより、その特徴がどんな場面では強みになり、どんな場面では相手を置き去りにしてしまうのかを知ることではないでしょうか。
録画に加えて参加者から感想を聞くなど、他者の視点も取り入れる場面が描かれていれば、「自分を客観視する」という心がけが、さらに具体的で説得力のあるものになったように感じました。
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