受け止め方次第
本日は、530の語呂合わせから「ごみゼロの日」とされています。
日本人の後始末に対する意識の高さは、しばしば世界を驚かせます。スポーツの世界大会で日本のサポーターが会場のゴミを拾い、外国人から賞賛されたことを覚えている人も少なくないでしょう。
日本を発祥としたゴミ拾いのワールドカップが各国で開催されています。主催は、一般財団法人日本財団スポGOMI連盟です。
同団体は従来のゴミ拾いにスポーツの要素を加え、「スポGOMI」と称して競技へと転換させました。現在は三十カ国を越える国で予選が開催されています。
ゴミ拾いという行為も、スポーツという観点で楽しみを見出すことができれば、それはチームスポーツとして白熱するものになります。
反対に、仕事と捉えると義務感だけの面白みの少ないものにもなりかねません。業務の中には苦手なこともあるはずです。
向き合い方を工夫し、意味や価値を見出す姿勢が、取り組みを前向きなものへと変えていくのではないでしょうか。
今日の心がけ◆ 楽しむ気持ちを大切にしましょう
出典:職場の教養5月号
感想
日本人のゴミ拾いや後始末の文化が世界で評価されているというニュースは、見るたびに誇らしい気持ちになりますが、このお話を読んで特にハッとさせられたのは、「行為そのものの定義を変える」という発想の転換の凄さです。
義務やマナーとして捉えると、どうしても「やらなければならない面倒なこと」になりがちなゴミ拾いを、ルールを設けて競い合うスポーツにしてしまうことで、参加者のモチベーションを180度変えてしまう。
このアプローチは、私たちが日々の生活や仕事の中で直面する様々な課題を乗り越えるための、とても大きなヒントをくれているように感じました。
物事の価値や面白さは、対象そのものに最初から備わっているのではなく、自分がそれをどう位置づけ、どんな風に関わるかによって後から作られるものなのだと、改めて深く実感させられます。
仕事でも家事でも、単調に思える作業や苦手な役割に対して「これは自分のスキルを磨くゲームだ」とか「どうすればもっと効率よく美しく仕上げられるか」といった、自分なりの面白がり方を見つけること。
そんな風に視点を少しずらす工夫ができるようになると、退屈だった日常が急に彩り豊かなものに変わっていくのではないか、そんな風に思いました。
否定的な感想
この「楽しむ気持ちを大切にする」という考え方には、少し注意が必要な側面もあるのではないかと感じました。
すべてをポジティブに捉え直そう、どんなことにも楽しみを見出そうとする姿勢は一見素晴らしいですが、それが強すぎると、時に「楽しめない自分が悪い」「前向きになれないのは努力が足りないからだ」というような、内省的なプレッシャーや一種の精神論に繋がってしまう恐れがあると思うからです。
業務の中には、どれだけ向き合い方を工夫しても、理不尽であったり、精神的な負担が大きすぎたりして、どうしても楽しむことが難しい領域も確かに存在します。
また、ゴミ拾いをスポーツにすることで参加者が増えるのは良いことですが、そもそも「ゴミをポイ捨てする人がいる」という根本的な問題の解決からは、少し目を背けさせてしまう構造もあるのかもしれません。
イベントとして盛り上がる反面、日常の地味なマナー向上という本来の目的が薄れてしまっては本末転倒です。
何でもかんでもエンタメ化したり、個人の心の持ちよう(受け止め方次第)という自己責任の論理に回収したりするのではなく、時には「楽しくないけれど、社会や組織のために淡々と義務を果たす」という、地味でシリアスな責任感の価値も同じように大切にされるべきではないか、と感じました。
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