睡蓮
じめじめとした梅雨の時期、気持ちが前向きになりづらい日もあるかもしれません。そんな時は、自然に目を向け、心を解きほぐしてみてはいかがでしょうか。
この季節は各地で睡蓮の花を見ることができます。水の上に浮かぶように咲く花は、白やピンク、紫、青、黄色など色も多彩です。
睡蓮で有名なのが、今年、没後百年を迎えるフランスの印象派画家、クロード・モネの作品です。約三十年にもわたって連作として描かれた「睡蓮」の作品数は、二百五十点以上にも及ぶとされています。
絵のサイズは、小品から壁画級の特大サイズまで多岐にわたります。モネは、同じ池のその姿であっても、時間帯や天候、季節によって表情を変える水面と睡蓮を熱心に描写し続けました。
私たちは仕事や家事がルーティン化すると、新鮮味が失われ、意欲が低下してしまうこともあります。同じ業務内容であっても、工程を変えてみるなど可能な範囲で工夫を重ね、日々改善を図りながら、仕事を愉しみたいものです。
今日の心がけ◆日常業務を工夫しましょう
出典:職場の教養6月号
感想
梅雨の時期の鬱々とした気分を、モネの「睡蓮」という美的な世界観と結びつけ、日々のルーティンワークに新鮮さをもたらすヒントへと昇華させる展開に、深い感銘を受けました。
同じ池の風景でありながら、光の当たり方や時間帯、季節によって全く異なる表情を見出すモネの視点は、まさに「見慣れた日常の中にいかに無限の可能性を発見するか」という、私たちが仕事に向き合う上で最も必要な姿勢を教えてくれているように感じます。
毎日同じことの繰り返しに見える業務であっても、それは決して完全に同一のものではありません。
自分の体調、周囲の状況、あるいは社会の動きによって、日々少しずつ「背景の光」は変わっています。
そこに意識を向け、「今日は少し手順を変えてみよう」「どうすればもっとスムーズに進むだろう」と自ら工夫を凝らすことは、まさに自分だけのキャンバスに新しい色彩を乗せていくような創造的な営みです。
退屈だと感じてしまう日常を、自らの視点とアプローチ次第で「探求の場」へと変えていく。そんな前向きな遊び心を持つことこそが、モチベーションを維持し、仕事を愉しむための真の秘訣なのだと教えられました。
否定的な感想
モネが三十年かけて「睡蓮」を描き続けたという崇高な芸術への情熱を、現代の「日常業務の効率化や改善」という実務的な話に直結させてしまうことには、やや強引さや違和感を覚える部分もあります。
モネが同じ池を描き続けたのは、彼が自らの意志で光の表現を極めたいと渇望したからであり、誰かに与えられたタスクをこなしていたわけではありません。
一方で、現代の私たちが直面している多くのルーティンワークは、マニュアルの遵守やミスのなさが厳格に求められるものが多く、個人の裁量で「工程を変えてみる」といった工夫が許されないケースも多々あります。
標準化された業務において、下手に工程を変えることはかえってトラブルの原因になりかねず、現場にとっては「決められた通りに淡々と、波風を立てずに終わらせること」が最善であることも少なくありません。
そうした現実がある中で、「新鮮味がないのは自分の工夫が足りないからだ」「日々の改善を図って愉しむべきだ」と、何でも個人の意識改革に落とし込んでしまうのは、働く側の現実的な制約や心理的負担を軽視しているようにも思えます。
ルーティンはルーティンとして「エネルギーを省エネ化するためのもの」と割り切り、工夫や愉しみは仕事以外の場所に求めるという割り切った生き方も、同じくらい現代人には必要なのではないでしょうか。
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