2026年9月15日(火)  働きの原点

働きの原点

「よい仕事」とは、理想的な目的、達成可能な目標、十分に練られた構想、そしてそれに基づく緻密な計画に裏打ちされているものでしょう。

しかし、仕事を進めていくと、目標達成や計画通りの実行に躍起になるあまり、肝心の「目的」を忘れてしまうことがあるかもしれません。

営業職のTさんが、まだ駆け出しだった頃のことです。目標の売り上げ達成に向けて知恵を絞り、努力したものの、なかなか成果が出ませんでした。

そんな時、上司から、「肩の力を抜き、数字のことは考えず、そもそも何を売ろうとしているのか、何のための営業かを考えるように」と諭されました。

振り返ると、心を占めていたのは〈同僚に負けたくない〉〈達成できないとみっともない〉といった、自分本位な思いばかりだったことに気づいたのです。

そこで改めて「お客様の役に立つ」「お客様の喜びのため」という目的に立ち返ると、Tさんの努力は実を結び、成績も徐々に向上していったといいます。

私たちも、業務の土台となる理念やビジョンを忘れないようにしたいものです。

今日の心がけ◆目的を見失わないようにしましょう

出典:職場の教養9月号

感想

この話を読んで、私は、目標と目的は似ているようで役割がまったく違うのだと感じました。

Tさんにとって売り上げ目標は仕事を進めるうえで必要な数字ですが、それを達成することばかり考えているうちに、「お客様の役に立つ」という営業本来の目的が見えなくなっています。

特に〈同僚に負けたくない〉〈達成できないとみっともない〉という気持ちは、仕事をしていれば誰にでも起こり得るものだと思います。

評価や結果を意識すること自体は自然でも、それだけが中心になると、相手より自分を見る仕事になってしまうのでしょう。

印象に残ったのは、上司が具体的な営業テクニックではなく、「何のための営業か」を問い直したことです。

仕事がうまくいかない時ほど、方法を増やしたり努力量を増やしたりしがちですが、進む方向そのものを確かめることも必要なのだと思いました。

忙しい時には、目の前の数字や期限だけで一日が終わってしまいます。

そんな時こそ、「この仕事は誰のために、何のために行っているのか」と立ち返ることで、同じ仕事でも判断や行動が変わってくるのではないかと感じました。

否定的な感想

この話では、Tさんが「お客様の役に立つ」という目的に立ち返ったことで、徐々に営業成績も向上していますが、この因果関係は少しきれいにまとまりすぎているように感じました。

営業成績には商品の競争力や価格、市場環境、担当する顧客、会社からの支援など、本人の姿勢だけでは変えられない要素も大きく影響します。

目的意識を正したから数字も良くなったという展開だけでは、成果が出ない原因を個人の心構えに寄せすぎて受け取られる可能性があります。

また、「数字のことは考えず」という上司の助言も、実際の仕事ではそのまま実践するのが難しいでしょう。

売り上げや利益といった数字は、会社を維持し、顧客へのサービスを続けるためにも必要です。

大切なのは数字を考えないことではなく、数字を目的そのものにしないことではないでしょうか。

「お客様の役に立つ」という目的と、「売り上げを達成する」という目標を対立させず、両方を結びつけて考える視点が加われば、理念と現実の仕事をより具体的につなげられる内容になると感じました。

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